保冷剤は保温剤として使えるのかのテスト 2014/01/05
アラスカへオーロラ観光に行くことが決まってから、超低温の世界でオーロラ撮影ができるのかあちこちのブログなどを参考に考え方を探っていました。
結論として、デジタルカメラの保温はしなくて良いが、バッテリーを外部に取り出し、外部バッテリーを保温することが必要だとなりました。
この実験はアラスカへ出かける前にしていたものです。
リチウム電池の温度特性は、ネット上でいただきました。ありがとうございます。
このグラフを見ると、0℃以下にならなければ、リチウムイオン電池の能力は維持できるようです。
保冷剤の温度低下は、0℃あたりで14時間ほど停滞しており、アラスカのマイナス30℃を超える寒さでも何とかがんばりそうでした。
実際にアラスカに持って行ったのは電池容量が大きな外部リチウム電池を、保冷剤2個でサンドイッチしました。
これを小さなクーラーボックスに入れてカメラ三脚に引っかけて使いました。
実際にアラスカ・フェアバンクスで撮影したときの温度はマイナス33℃ぐらいでして、ツアー観光で行ってるもんですから、観測地での滞在は約3時間程度でした。
この3時間程度では保冷剤は全く固まらず、柔らかいままでした。
もちろんバッテリーも問題なく使えました。
これで、ニコンD600でインターバル撮影を駆動することができました。
保冷剤一式は、スーツケースに入れて飛行機移動しました。
最近の厳しい状況下で手荷物、機内持ち込みは無理だと思います。
アラスカから乗ったときはこの保冷剤が入っているスーツケースを検査のために開けられました、でも無事に通過しました。
もちろん、何が引っかかったかはわかりませんが。
デジタルカメラのサブ機としてキヤノンEOS-X2も持って行ったのですが、こちらは外部バッテリーにせず、ノーマルのまま撮影しましたが、1本のノーマルバッテリーは1時間ほどで切れてしまいましたが、もう1本のバッテリーは1時間40分も保ちました。
バッテリーの新しさや元気度によるのかも知れません。
ニコンD600もキヤノンEOS-X2もカメラ保温していないのですが、3時間の範囲では液晶モニターも固まらず動いていました。
メモ用デジカメとしてキヤノンパワーショットS95を持って行ったのですが、このカメラのバッテリーは元々保ちが悪い(新しいバッテリーでも)。
全部で3個のバッテリーを持って行ったのですが、最初の内は瞬く間にバッテリー低下を招き、短い時間で3個を使いました。
やはり保温が必要だと気づきました。
最初は防寒着のお腹にあるカンガルーポケットに入れていたのですが、化学カイロを入れていても、温度が下がりだめでした。
最後の方は、防寒着の下に着ているフリースの上着にあるポケットに、カイロとともに入れておくとバッテリーは十分に長く使えました。
オーロラの写真などを撮っては直ぐにフリースのポケットへです。
出し入れは面倒ですがこれが一番でした。
中国製の安いカメラ用タイマーコントローラーは、保温せずにいると寒さで直ぐに液晶が見えなくなり、タイマーとしては使えませんでした。
シャッターボタンとしての機能はハード的なものですから、連写用のスイッチとして使いました。
また、外部電源のコードやタイマーコントローラーのコード類は寒さのために針金ように硬くなり取り回しがとても大変でした。
特にニコンD600のバッテリー室から外部バッテリーへのコードの引き出しは、狭いところで曲げないといけないので、寒さで固まってからこれを行うのはけっこう勇気が要りました。何せ曲げて折れたらどうしようと思ったからです。
一度経験した後は、暖かい部屋での準備段階でパワーコネクターを入れておくことにしました。
ついでに?化学カイロのことを言うと、大気に直接に近いところのカイロは全く役に立ちませんでした。
カメラの保温や、パソコンの保温、カンガルーポケットの中などはだめです。
入れるなら、体で言えば、防寒着より内側、ミトン手袋の中は有効、靴底などです。
靴底のカイロは、かなり有効です。
使うタイミングも大事で、準備のために暖房の効いている部屋で装着すると、暑過ぎます。
普通は10数時間有効なカイロなんですが、3~4時間で冷えてきます。暖かい部屋に戻ると復活するのですが、意味はありません(笑)
私は、オーロラ観測場所に到着してからカイロをいろいろ着けました。
もひとつ、ついでに服装を言うと、空港に降りてバスに乗るとき、ホテルからバスに乗るときなど寒いですが、時間が短いので日本の冬の服装でだいじょうぶでした。
ただ、外に30分以上出るときは完全防備が必要でした。
私が、今回のアラスカ旅行で一番冷えたのは、犬ぞり体験の時で、この時の気温は現地としては高いマイナス12℃ぐらいでした。
レンタルされた防寒着で、耳を覆うスキー用の帽子を着用、ただ、手袋はキヤノンパワーショットS95で記録写真を撮るために日本で星見をするために使っている手袋で、俗に言うスキー手袋と、その下に薄い手袋で、右手の人差し指だけをカメラのシャッターボタン押せるように、薄い手袋の人差し指が外に出るようにして、スキー手袋に穴を開けていたものです。
しかし、それほど速くない犬ぞりに乗りながらカメラ撮影をしていると、右手人差し指がしびれてきました。
犬ぞり体験はわずか15分ぐらいでしたが、右手の人差し指が固まってしまいました。
思った以上に危なかったかも知れません。
最後に保温とは関係ありませんが、撮影中に居場所を確認させるマーカーとして、100均でこんなのを買って使いました。
自転車用のLED点灯のマーカーです。連続点灯、パルス状の断続点灯もできます。
厳寒地でどれぐらい保つか心配したのですが、3夜はいけました。
これを三脚の足に巻いて使いました。
電池はボタン電池ですが、予備電池を買うより電池付き本体を買った方が安い。
2個持っていきました。
極寒冷地でのノウハウは他にもいっぱいありそうですが、私の記憶に残っているものについて書きました。
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