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白トビ&赤トビ 2020/06/19

 惑星を撮影して、画像の一部のデータが飽和していて、8ビットなら0~255の範囲を逸脱し、255と言う数値は残っていても、明るい中に生じているディティールは消失してしまっている現象を「トビ」と読んでいます。 昔のビデオ撮影では「サチる」とか言ってました。
 惑星の中でも火星の撮影、画像処理では、極冠の白トビ、砂漠の赤トビが生じやすく注意が必要です。
 と言う私も、昔は模様の強調に喜び勇んで、少々?の白トビ&赤トビは意に介さない状態で画像処理をしていました。
 下の画像は、2003年の大接近の年の火星ですが、PHILLIPS ToUcam Proが手に入って、デジタル動画による高解像惑星撮影が始まり、何が何でも模様を濃く出したい衝動に駆られていた時で、立派に南極冠の白トビ、砂漠の赤トビを演出しています。
 南極冠は別途処理することで白トビを避け、別掲示て逃げを打っていました。
Kmm2003071616h39m18h20mut4setspc

 キャプチャ時にトビを発生させると、画像処理で救うことはできませんので、FireCaptureで撮影するときは、必ずヒストグラムを見て判断しないと、勘や慣れではトビに気づかない事が良くあります。人間の眼は恐ろしいほど繊細で鋭いですが、信じられないほどのポカをします。むちゃくちゃ適応力のある人間の眼センサーです。
 金星の夜の部分の撮影など特殊な状況下は別です(将来できるかも知れませんが)。
 上記の画像の左下の火星像を、国立天文台推奨の画像測定ソフト「マカリ」で測定してみました。
 スケールは自動スケールを使っています。
 南極冠や大シルチス横のリムのトビを生じているところは、グラフのてっぺんが台形で平坦になっています。
Kmm2003071616h39m18h20mut4setspcmakari
  この赤トビ部は、緑トビもしていますね。

 私の2003年以降の画像では白トビ等に気をつけているようで、探してみたけれど見つかりませんでした・・・たぶん・・・(笑)
 画像強調処理で白トビなどを発生しやすいのは、ウエーブレットやアンシャープマスクなどによる強調時に起こるので、必ずヒストグラムなどを見て判断しています。
 最近、よく利用しているのは、RegiStax6のウエーブレット時にオプションのガンマ設定を使っています。
 トビを生じないように、全体的な輝度をコントラストを使って下げ、これによって暗くなった部分をGammaを使って持ち上げています。
 この方法がベストかどうかは分かりませんが、今のところ重用しています。
Img_6050cut
 この後も、最大エントロピー画像復元処理やフォトショップによるアンシャープの追加など、私にはまだまだ関門がありますが、その都度、「トビ」に注意を払って画像処理をしています。

 最近のトビを気にした結果の画像処理による火星です。
トビサンプルの2003年の火星とLsの値が近く、火星の季節はほぼ同じで、南極冠の溶け方も似ているようです。
Kmm2020060218h37mut_20200619164901
 木星や土星でも「トビ」は発生します。
 完全にゼロは難しいかも知れませんが、できるだけ努力をして、惑星画像処理にがんばしたいと思います。

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