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月惑東京例会でクリストファー・ゴーさん 2016/08/28-29

 惑星撮影界での世界トップ2のお一人、フィリピン・セブ島のクリストファー・ゴーさんが月惑星研究会の東京例会で講演されるというので聴きに行ってきました。
 変則台風10号が再びに接近中でちょっと心配なんですが、大阪伊丹空港から羽田に向かいます。大阪は少し晴れ間もあったのですが、低空の雲を抜けても上空にも雲があり、雲だらけの日本列島で、富士山は全く見えませんでした。
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 お茶の水の明治大学で例会は開かれました。
 ゴーさんが来られることもあって50人を超える人たちが集まり、まずは自己紹介です。
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 通常例会と同じにHorikawaさんの木星面近況やShiotaさんの補償光学のお話もありましたが、このブログではゴーさんのお話だけでまとめさせていただきます・・・m(_ _;)m

 ゴーさんのお話は環境から惑星の画像処理テクニックまで網羅したお話でしたが、その一部を紹介させていただきます。
 まずは、ロケーション、ロケーション、ロケーション
 そして、シーイング、シーイング、シーイングに尽きると・・・
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 ゴーさんの使用されているC14には後部セルにファンが付いていますが、接眼部からスコープ・クーラーも合わせて使って、強制的に鏡筒の温度安定化をされています。
 また、主鏡移動によるピント変化を防ぐために、C14に付属の固定ネジを使って撮影中のピント移動を無くしているのだそうです。
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 撮影ソフトはFireCaptureを使って、ROIやフィルターホイールのコントロールなどの自動化に積極的に使われています。
 また、撮影時のヒストグラムは、80%~90%の光量たっぷりで撮影し、階調不足によるオニオンリングなどの発生を防いでいるのだそうです。
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 熱心にお話を聞いているメンバーです。
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 C14の光軸修正もFireCapture上で行っています。
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 Registaxによるウエーブレット処理は、我々と大きな違いは無いようでした。
 どちらかと言うと、WinJUPOSのDerotationによる精細化に力を入れているとのことのようです。
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 ゴーさんは、最終仕上げにノイズフィルターを使っているとのことでした。

 日本の悪シーイング下とは考え方が違うところも少しありますが、セブ島の好シーイングに甘えること無く、工夫された結果が、報告されている素晴らしい惑星像になっていると感じました。

 日本では確かにシーイングの悪いときが多くて、ゴーさんの画像に勝てないのですが、日本で写らないことを悪シーイングの所為にし、努力しないのでは、いつまで経っても追いつくことはできません。
 日本でも数少ない良シーイングに出会えたとき、望遠鏡の力を十分発揮できるだけの準備はしておかないといけないかと思います。

 例会が終わると記念写真です。
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 で、懇親会で乾杯です。
 あぁ、ゴーさんはほとんど飲まれないので乾杯だけでした。
 私とはエライ違いです(笑)
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 懇親会中に、私の今シーズンベストの動画を見ていただき、処理してくれました。
 遅いパソコンなんで処理は随分とかかりましたが、なんとか懇親会の時間中にできました。
 ウエーブレットのパラメーターがなんとか読み取れます。
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 ゴーさんは懇親会中もあちこちでレクチャーし忙しい・・・
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 私にとっては有意義な一日でした。
 ありがとうございました。

 その夜は、お茶の水のホテルに宿泊。
 翌朝は雨、雨の中秋葉原を回って羽田から帰ってきました。
 台風が心配でしたが、この日は昼から晴れ間も出て、飛行機から富士山もなんとか見えました。
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 今シーズンの惑星はそろそろ終わりですが、このモチベーションを来シーズンまで、持ち続けたいと思います。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。久しぶりにお目にかかって嬉しかったです。
飛行機で来られたのですね。熱心さに脱帽です。私など、静岡まで行くかどうかと迷っているというのにさすがです。
・・ていうか、同い年でこうも経済力に違いがあるのかと思うとやる気をなくします。年金暮らしには辛い趣味です~~。

投稿: mn3192 | 2016年8月30日 (火) 12時58分

近内です。この月惑東京例会では久し振りにご一緒させていただいて、お元気で、相変わらず酒吞みなのを拝見して懐かしく感じました。
  Goさんの講演は初心者の私には非常に参考になりましたが、貴兄にはあまり勉強にならなかったのでは、と感じました。鏡筒光学系
の調整/温度管理、撮像、画像処理、最終画像調整までを通して、お世辞抜きで貴兄の方が上を行っていると感じました。懇親会でGoさ
んとじっくり話していて、『こんなにレベルの高い撮像者が日本に何人もいるとは思っていなかった。講演の内容にもっと高度な技術内容
の割合を増やすべきだった。』と言われてましたから、Alpo Japanのギャラリーの日本人の惑星画像などもあまり見ておられなかったよう
ですね。懇親会で貴兄がご自分の土星生画像をその場で画像処理して見せたら、Goさんは本当に魂消て、立ち上がって画像を皆さん全
員に示して『これは実に凄い!日本の悪シーイングの中でも技術と情熱を注げばこれだけ細部を再現できるという素晴らしい見本だ!』
と強調されていたのには胸のすく思いでしたし、またGoさんの気取らない公平な人柄にも感銘を受けました。
  いつか機会があれば、英国の桃太郎ことピーチさんを日本に呼んできて、酒をガンガン吞ませて(あの顔は絶対酒吞みでしょう!)秘
術を吐かせたいものですね。

投稿: 近内令一 | 2016年8月30日 (火) 13時42分

mn3192さん こんにちわ
 今回はお話しするタイミングが無くて失礼しました。
 飛行機は、ホテルとチケットが一緒になった安売りパックで、新幹線で往復するよりも安価です。
 それでも現金収入の途絶えた身には応えますが、ゴーさんのお話を聞かないと、残り人生を後悔すると奮発しました(笑)

投稿: RB星 | 2016年8月30日 (火) 14時48分

近内さん こんにちわ
 お久しぶりでした。
 通訳ありがとうございました。
 ゴーさんのテクニックはある意味推測していたものと大きな違いはありませんでした。
 が、セブの好気流下でも多くの努力をして最善を尽くしていることは、たいへん素晴らしい事だと感じます。

 私のことをいっぱい誉めていただいてありがとうございます(笑)
 そうですね、次はダミアン・ピーチさんの極秘のテクニックなどを聴きたいですね。
 その時はまた翻訳をお願いします・・・m(_ _)m

投稿: RB星 | 2016年8月30日 (火) 15時04分

ゴーさんもシーングの重要さを強調されてるのですね。
いつか熊森さんがセブ島で撮影されるのを楽しみにしています。
お二人とも常に上を目指して工夫されているのを見習います。

ところで 「C14に付属の固定ネジを使って撮影中のピント移動を無くしている」
というのは何でしょうか。
シュミカセは悩みどころがいっぱいですね。

投稿: サワダ | 2016年8月30日 (火) 17時23分

サワダさん こんばんわ
 古い?C14には移動時の安定のために主鏡セルを固定するネジが後部セルに付いています。(C14だけです)
 最近のエッジ(シュミカセ)には、C8でも付いているミラークラッチと呼ばれる固定装置と同じだと思います。
 主鏡の撮影中の移動を無くすために主鏡を固定していると言うことです。
 ディープスカイ撮影の人たちは必須だと思います。
 私の惑星撮影ではショット毎にピント合わせをしているので、主鏡セル固定装置は使っていません
 で、わかりますでしょうか。

投稿: RB星 | 2016年8月30日 (火) 21時05分

熊森さん、ありがとうございます。
 
ミラークラッチをネットで調べたのですが、鏡筒底部から三ヶ所?のねじでセルを直接支えていると
いうことでしょうか。 過去の天文誌のシュミカセの記事を探してみます。

また、ヒストグラムを80~90%というのはびっくりです。
例えば木星では50%でもオーバーだと思ってたのですが
次のシーズンでは試してみます。

投稿: サワダ | 2016年8月30日 (火) 22時05分

サワダさん こんばんわ
>鏡筒底部から三ヶ所?のねじでセルを直接支えているということでしょうか。
  と、言うことだと思います。正確には2ヶ所で、1ヶ所はフォーカスネジが当たると思います。

 カメラのダイナミックレンジを有効に使うにはヒストグラムをいっぱいに使うのが前提だと思います。
 フルレンジで撮影することが本来の姿です。
 ただ、我々?の使い方はカメラの感度不足を補うために、露出不足にして擬似的に見かけの感度を上げているに過ぎないだけだと思います。
 これで差し当たりトーンジャンプなどが現れなければ良しと言うことで使っているだけだと思います。
 

投稿: RB星 | 2016年8月30日 (火) 22時38分

ミラークラッチの構造がだいたい分かりました。ありがとうございます。

「カメラのダイナミックレンジを有効に使うにはヒストグラムをいっぱいに使うのが前提」
確かにその通りですね。
ヒストグラムたっぷりに露出すると、とても滑らかになるものの鋭さがない画像になってしまうと
思ってましたが、来期はゴーさん流で撮影してみます。
飛躍的に良くならないかなあ(笑)

投稿: サワダ | 2016年8月31日 (水) 00時18分

サワダさん おはようございます。
 劇的に変わるのは難しいですね。
 がんばるしか無いでしょうか(笑)

投稿: RB星 | 2016年8月31日 (水) 08時13分

RB星さん、サワダさん、こんにちわ、近内です。割り込みお許しください。

初心者的な質問ですが、カラー一発カメラのヒストグラムを90%あたりまで引っ張って行くとどうなんでしょうか?
火星でZWO色の補正に苦労しています。相対的に青の感度が低いのを、ヒストグラムを見ながらRGBのバランス
を取るよう調整したりしていますが、思うように行きません。

故パーカーさんも言っておられましたが、火星はある意味でコントラストが高くて難物です。今のように火星がうん
と欠けているとリム側とターミネータ側の輝度の差が大きくて難儀します。明るい方を取るか、暗い側を重視するか
でヒストグラムを調整しています。満月のような衝の時は衝の時で、極冠は別格として、暗色模様のディテールを
つぶさずに砂漠の明部の内部のディテールを描出するのは私には大変です。鉛筆で描いた方がまだ巧くいくかも
しれません。HSTの画像処理者も同様の悩みを抱えているようで、HSTの画像の多くは砂漠の明部のディテール
が吹っ飛んでいると私は感じています。
さて質問ですが、カラー一発カメラの撮像時にヒストグラムのRGBの%をそろえられれば、全体的に90%あたりまで
引っ張っても、トーンぶっ飛びとかなしに、色も具合よく調整するうえで大丈夫かつ有利なのでしょうか?よろしく
ご教示ください。

投稿: 近内令一 | 2016年8月31日 (水) 11時35分

近内さん こんにちわ
 最近のカラーPCカメラは赤から赤外に掛けて感度が高いため、赤外カットフィルターを付けても普通色になかなか染まりません。
 良く見られるのは、赤トビしているのに気づかないで処理されている人がかなり居られます。
 火星は赤いのでなかなか分かりにくいようです。
 私はZWO ASI224MCで、Rを50%、Bを95%で撮影し、後の色調整はフォトショップで行っています。
 赤外カットフィルターは必須です。
 火星は青色光が極端に少ないので、どうしてもBの階調不足になり解像度もヌケも悪くなります。
 Bのたっぷり露光が必要かと思いますがなかなか難しいですね。
 火星の欠け際を持ち上げるには覆い焼き?するぐらいしか思い当たりませんが、Registax6のFunctionsのWavelet filter のコマンドパネルで、WaveletFilter_Panel の数値のバランスを変えても多少は変化させることができると思います。
 余り使ったことが無いので、どこまでできるかは私にも分かりません(笑)

投稿: RB星 | 2016年8月31日 (水) 17時53分

RB星さんありがとうございます。

ASI224MCを使っていますが、ペリエさん他のアドヴァイスで、FireCaptureのMore設定でWBlueを99、
WRedを50前後で使っています。WRed値の変化の効果が敏感で難儀しています。

Registax6のWavelet Filterも色々やってみましたがパッとしないですね。“覆い焼き”はレタッチソフト
のトーンカーブなどである程度できると思いますが、最近気に入ってよく使うのはアドビのLightroom
の“現像”でして、輝度の差によるカラーバランスの崩れを出さずに覆い焼きが簡単にできます。また
ゴーさんお気に入りソフトの“スポンジを敷いてハンマーでぶっ叩く”....尖鋭度を落とさずに粒状性を
改善する....処理もLightroomでもできるようです。

また色々ご教示ください。授業料に福島産のやや辛口の超美味い日本酒を近々にお送りしましょう。

投稿: 近内令一 | 2016年8月31日 (水) 20時01分

近内さん こんばんわ
 色々やってますね!
 あんまり関係ないかも知れませんが、Photoshopの色調整は、低・中・高のそれぞれの輝度でカラーバランスが取れるのでメインに使っています。
 ノイズフィルターは最後の手段だと思っていますので、私は積極的に使っていませんです(笑)
 まあ、最近のノイズフィルターは解像度をできるだけ落とさずノイズを消すのに凄いですけどね。
 なんか、泥沼の世界に入るみたいです・・・
 素晴らしい惑星画像をお待ちしています。

投稿: RB星 | 2016年8月31日 (水) 21時18分

熊森さん、近内さん、こんばんは。

私も使い始めにBが相対的に低いと感じましたが、極端にWBlueだけ大きくするのは
ダメなんだろうという先入観でWBlue80くらいまでにしていました。
今はWBlue95くらいで使っています。

火星は赤いのが当たり前と思ってましたが、今は人によって青っぽいのから赤いのまでいろいろですね。
解像度がいいとどれも良く見えてきます。
リムの処理なんかもそれぞれ工夫されているのでしょうね。
ノイズだけをぼかすのもいろいろ方法を試してみます。

投稿: サワダ | 2016年8月31日 (水) 22時46分

RB星さん、サワダさん、近内です。おはようございます。

ノイズフィルター......私も同感です。
厚化粧よりスッピンのほうがいい。薄化粧がベストかな。

昨夕は迷走台風一過、よく晴れましたが、土星、火星、アンタレスが
二等辺三角形に並んで、仲良く三重唱でジャカジャカ瞬いているのを
見て潔くあきらめました(涙)。

   ではまた。

投稿: 近内令一 | 2016年9月 1日 (木) 08時20分

サワダさん、近内さん こんにちわ
 台風一過の晴れ間が終わったようです。
 やはり、火星の色は地球の標準環境と離れているので、調整が難しいようですね。
 昨夜(31日)は、良く晴れてましたが南西からの風と気流が強くてがたがたでした。
 最後の火星かと思いながら撮影しましたが、処理はまだこれからです。
 シーイングは非常に悪かったので力が入らないですが・・・(笑)

投稿: RB星 | 2016年9月 1日 (木) 15時58分

東京までいらしてGOさんに会われたのですね。
胎内星まつりでの講演情報があり来日されたのは知っていたのですが、
月惑星協会がメインだったようですね。
皆さんの撮影データを参考にさせていただいてますが
とてもとても真似できません。

投稿: KEN | 2016年9月 3日 (土) 11時19分

KENさん こんにちわ
 ゴーさんの講演は胎内がメインで月惑はおまけだと思います。
 内容は月惑かも知れませんが・・・
 ゴーさんのテクニックは我々のやっていることと、そう大差はありません。
 良いシーイングの元でちゃんと撮せと言うことのようです。
 その、「ちゃんと」と言うところが難しいことかと思います。

投稿: RB星 | 2016年9月 3日 (土) 14時06分

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