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怖れずでっかく写そう惑星撮影  2010/10/13

 2010年夏は酷暑、猛暑と厳しい暑さでしたが、惑星撮影のシーイングは例年以上に良く、高解像の木星画像が月惑星研究会の報告のページでも多く見受けられました。
 そして私の思っている高解像惑星写真に必要な条件の一つに、「でっかく写す」があるのですが、その条件に合ったでっかい木星像が多く登場したことを嬉しく思っている私です。
 そこで、私なりの惑星を大きく写すための条件整理をしてみることにしました。

↓この画像は私のC11で撮影した恒星像で、現在の木星撮影と同じ条件の光学システムで撮影しています。
 拡大撮影のための2インチマルチショートバロー(カサイ)で合成Fを40に。
 大気の色分散補正用のバリアブルウエッジプリズムが光路上に入っています。
 光軸が完全にあっていないため、恒星像はやや楕円になっていますがエアリーディスクの大きさは分かります。
 撮影カメラはイメージングソース社のDFK21AF04のカラーカメラで、CCDはソニーのICX098BQ、1ピクセルサイズは 5.6μmで、640x480ピクセルのいわゆるVGAのカメラとなっています。
C11airydiskf40dfk21c
 画像上のエアリーディスクは10ピクセルの直径を持っています。
 通常、望遠鏡の解像力はエアリーディスク直径の半分とされていますので、5ピクセルがこの望遠鏡(この合成F40で)の解像限界となります。
 しかし、恒星像を見るとおわかりのように、エアリーディスク全体にべったりの輝度があるわけではありません(ウエーブレットをかけているため少し潰れています)。
 恒星像は中央集中のピークを持った像であり、恒星中心から離れるに連れ輝度が下がる連続的なものとなっています。
 良く言われるドーズの限界は等光二重星を眼視で二つに見分ける限界を示すもので、決して惑星撮影の解像限界を示すものではありませんが、一つの基準として考えることはできます。

↓次の図はその二重星とCCDのピクセル対応を考えたものです。
 単純に考えて二重星の谷間の部分に1ピクセルと恒星部にそれぞれ1ピクセルの合わせて3ピクセルあればあれば二重星を分解できることになります。それがAの状態です。
 しかし運悪く?恒星部がピクセルの境目に当たった場合、4ピクセル有っても二重星は分解できないことになります。それがBの状態です。
Photo
 と言うことは5ピクセル以上が、ドーズの限界を確実にクリアーできる条件と考えることができます。
 つまり、私の撮影している合成F40が必要条件と考えられるわけです。
 ちょっと三段論法風ですが、単純に考えてのことです。

 エアリーディスクの大きさはF数により決まります。望遠鏡の口径には左右されません。
 PHILIPS ToUcam PROやDFK21AF04、DMK21AF04など同じピクセルサイズを使っているカメラの場合、条件は同じです。
 最近のデジタル画像処理では二重星の谷間に1/255(8bit)の輝度数値の違いでも撮影できれば分解できることになります。
 今日は?エアリーディスクのサイズから攻めましたが、望遠鏡の能力、特に惑星撮影の高解像能力を十分に発揮するためには「でっかく写そう」に是非トライしてみてください。

 タイトルに「怖れずに」と入れているのは、過去のいろいろな考え方に捕らわれずと言うことです。
 昔、銀塩の時代に「合成F200以上は回折のために解像度は上がらない」なんてことが書かれていましたが、そんなことはありませんでした。

 まあ、私の言ってることも情報の一つです。
 採用するかどうかはこれを見ていただいたみなさんです。

 私はC11の28cmを使う以前は、20cm-Dall-Kirkhamで木星を合成F55あたりで目一杯拡大して撮影していました。
 これで、少しピクセルが余っている感じはしましたが、限界まで写すには必要だったと考えています。
 28cmになって合成F40もそうですが、1/4インチサイズのCCDでは画面いっぱいの木星になってしまい、これ以上拡大することはできません。
↓この画像は、木星像と恒星像(黒四角の中)を、同じ状態で撮影したものを比較しています。
Photo_2
 大きな画素数のカメラは、残念ながら感度が落ちる傾向にあるので、この先、大口径のみなさんはどうされるのでしょうか、楽しみです。

 怖れることはありません、でっかく限界まで挑戦してみましょう!

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